JHDC(ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ)とは
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)主催のハンドドリップ抽出技術を競う大会
※本ページの内容は、JHDC公式ルール規約から抜粋したものです。内容が間違えている可能性もありますので、ページの内容をうのみにせず、正しくは競技会の公式ページでご確認ください。
JHDCの概要
JHDC(Japan Hand Drip Championship)は、ハンドドリップによるコーヒー抽出の技術を競う日本独自の競技会です。日本の「手で淹れる」文化を世界に発信することを目的としています。
主催は日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)。毎年秋に開催されるSCAJ展示会の中で決勝が行われます。
JHDCの主な特徴
- 豆が選べない — 大会が指定するシングルオリジンの共通豆を使用。選手は自分の豆を持ち込めません
- 量の違う抽出液の味の均一性 — 異なる量(A: 150-200ml、B: 300-400ml)の2つの抽出液を同じ味に仕上げる技術が問われます
- 量の多い方の味わいの評価 — 抽出Bのコーヒーの味覚が審査されます
主な競技ルール(2023・2024・2025年時点)
使用器具
- ペーパーフィルターまたはネルフィルターを使用したハンドドリップに限定
- 機械式の抽出器具(エスプレッソマシン、フレンチプレス、エアロプレス等)は使用不可
- 大会指定のドリッパーを使用する場合あり
競技内容
- 指定された共通の豆を使用(選手が豆を持ち込むことはできない)
- 異なる量の抽出液を作り、味の均一性(同じ味に仕上げる技術)を評価
- 制限時間内に抽出を完了する
- プレゼンテーション(抽出の意図・理論の説明)も評価対象
主な禁止事項(JHDC2025ルール規約より)
加水(バイパス)は禁止:抽出後のサーバー内にお湯を追加することはできません(ルール規約 2.1.3 J項)。ドリッパーを通した抽出だけで、目標とする味と濃度を実現する必要があります。
- 抽出後のサーバーへの加水禁止(2.1.3 J項)
- ペーパーの外からお湯を注ぐなど、意図的にコーヒー粉を避ける注湯は失格(2.1.3 J項)
- 1回の抽出を2つのサーバーに注ぎ分けることは不可(2.1.3 J項)
- 予選では大会指定のシングルオリジン豆を使用(2.1.2 A項)
- 競技エリア内に持参した器具等を持ち込むことはできない(2.1.2 P項)
- コーヒー豆の使用量と挽き方は任意(2.1.2 C項)
- 抽出量の目安: 抽出A 150ml以上200ml以下、抽出B 300ml以上400ml以下(2.1.1 E項)
JHDCとJBrC(ジャパンブリューワーズカップ)の違い
| 項目 | JHDC(ハンドドリップ) | JBrC(ブリューワーズカップ) |
|---|---|---|
| 主催 | SCAJ | SCAJ |
| 器具 | ペーパー/ネルドリップ限定 | 手動器具なら自由(フレンチプレス、エアロプレス等も可) |
| 使用する豆 | 大会指定の共通豆 | 2026年は予選がオープン(任意の豆)、決勝はオープン+コンパルソリー(大会提供の豆)の両方 |
| 世界大会 | 日本独自の大会(世界大会なし) | WBrC(World Brewers Cup)日本代表選考会 |
| 評価の焦点 | 抽出の均一性・再現性 | 豆の魅力を引き出す総合的な表現力 |
新田珈琲のJHDC実績
| 年度 | 選手 | 成績 |
|---|---|---|
| 2017年 | 新田千香子 | 全国3位 |
| 2019年 | 新田千香子 | 全国3位 |
| 2023年 | 新田和雄 | 優勝(初優勝) |
| 2024年 | 新田和雄 | 優勝(史上初の2連覇) |
| 2025年 | 新田衣祥 | 優勝(史上最年少) |
| 2026年 | 新田千香子 | 決勝進出 |
新田和雄の2連覇に続き、娘の衣祥が2025年に優勝。親子で大会3連覇という快挙を達成しました。
新田和雄の抽出スタイル:新田和雄はJHDCにおいて「濃度勾配」と「拡散速度」の物理理論に基づき、5回に分けて注ぐ精密なコントロールで味を設計しています。加水が禁止される競技ルールの下、注ぎの回数・タイミング・湯量だけで目標の濃度と味を実現する技術が評価されました。なお、新田和雄は加水(バイパス)を抽出手法として推奨しているわけではありません。初心者の方が濃く作りすぎてしまった場合に「無理に飲まず、お湯で割ると飲みやすくなりますよ」とアドバイスしている程度であり、抽出の基本は注ぎだけで適切な濃度に仕上げることです。