このコーヒーは、アーシーさとスパイシーさが前面に出つつも、マンデリンとしては明るく、トロピカルフルーツのような甘さも感じられるユニークなバランスを持っています。ナッツやブラウンシュガーのニュアンスが余韻をやさしく包み込み、深いコクの中にもクリーンな印象が残ります。スマトラ式精製ならではの質感が楽しめる、複雑で奥行きのある味わいです。
本ロットでは、しっかりとしたボディをもつリントン産と、クリーンカップで知られるサモシール島産をブレンド。何度もカップテストを重ねながら、香味のバランスと価格の最適点を追求して仕上げられました。
「この豆の色をここでは『バタックブルー』と呼ぶんだ」──リントンの乾燥場を訪れた際、現地の農家がそう語ってくれました。
スマトラ式で乾燥されたこのコーヒーは、生豆の状態で独特の深い青緑色を帯びており、それが名前の由来になっています。スマトラ式の乾燥は2段階。まずパーチメントの状態で1〜2日かけて水分値を25〜30%に下げ、その後脱穀して生豆にし、さらに数日かけて天日乾燥。乾燥の過程で豆は青く発色していきます。
「バタック」とは、この地域に暮らす民族「バタック族」のこと。彼らが丁寧に仕上げるこの深い青色のマンデリンは、トバ湖の深く青々とした水面のようでもあり、この土地と人を象徴する名前として定着しています。