抽出 ブリューレシオ ハンドドリップ

コーヒー1杯に粉は何グラム?
ブリューレシオの考え方

新田和雄(コーヒー鑑定士) | 初出: 2021年4月 | 更新: 2026年4月

「コーヒー1杯に粉は何グラム使えばいいのか」というご質問をよくいただきます。まずは「抽出比率(ブリューレシオ)」という考え方を知っていただくと、粉量の目安がつかみやすくなるのではないかと感じています。

コーヒー 1 : お湯 15

覚えておくと便利な比率として、重さの比率で

コーヒー : お湯 = 1 : 15

というものがあります。この比率は「抽出比率」「ブリューレシオ」あるいは単に「レシオ」と呼ばれ、コーヒーの抽出時によく利用されています。抽出したコーヒーの味を競う大会や、コーヒーの専門店でもよく使われている比率です。

具体的には、10gのコーヒー粉を使う場合、15倍の150ccのお湯をかけるという感じです。2杯分で20gの場合は、15倍で300ccとなります。

ドリップに使っている器具や、お湯のかけ方、粉の細かさによっても味は変わりますので、あくまで最初の目安としてお考えください。
重要なのは、粉だけではなく、使うお湯の量のことも考えるという点です。

重さをはからなくても大丈夫

比率という言葉を聞くと面倒に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は重さをはからなくても目安をつけることができます。

コーヒーをカサではかる

お持ちのコーヒーメジャースプーンや計量スプーンで計る方法です。もちろん、はかり(スケール)をお持ちの方は、そちらの方が安定します。参考程度ですが、

となります(誤差はあります)。

湯量を体積ではかる

ここでは単純化のため、1g = 1ccとして考えます。湯量の計り方は大きく2つに分かれます。

1. かける湯量を計量カップで計る場合

コーヒーを10g使うのであれば、お湯は150cc計ってください。スケールを使わない場合、そこまでの正確さは出せないので、おおよそ150cc計れればOKです。計ったお湯で蒸らしと注湯を行います。

2. 落ちたコーヒーの量で判断する場合

サーバーに目盛りがついている場合に使えるやり方です。コーヒーの粉がお湯を吸収する量は、おおよそ粉の重さの2〜2.5倍となりますので、

かけたお湯(g) - 粉(g) × 2.0 = 落ちたコーヒー(g)

という関係になります。10gのコーヒー粉に150ccのお湯をかけた場合、

150 - 10 × 2 = 130g

となりますので、130g(cc)程度落ちたら終わりの目安です。

粉の細かさ、焙煎度合い、お湯の温度、お湯と粉が触れている時間などで大きく変動しますので、あくまで目安程度とお考えください。

逆に、130ccの抽出液が必要な場合、ブリューレシオ1:15と吸水率2倍の関係から、

粉量 = 130 ÷ (15 - 2) = 10g
湯量 = 10 × 15 = 150g

このように、必要な抽出液を作るために粉とお湯の比率が決まっていれば、必要な粉量やお湯の量を考えることもできます。お店でのレシピを考える際にも、この関係を知っておくと便利ではないかと思います。

濃度の調整方法

粉と湯量で抽出を行った際に、抽出方法によって、どうしても薄い場合や濃い場合が出てきます。ここでは、抽出方法(お湯の注ぎ方やタイミング)は同じという前提で、濃度の調整方法をお伝えします。

薄い場合

抽出した液体が薄い場合は、粉量を増やしてみてください。

お湯と粉の比率が変わると、抽出液の濃度も変わります。メジャースプーン1杯で薄いと感じたら、もう少し増やして山盛りにするような感じです。

慣れてきたら、粉量を変えずに以下の方法でも調整できます。

ただ、一番簡単に濃くする方法は粉を増やすことです。

濃い場合

抽出した液体が濃い場合は、粉量を減らしてみてください。

薄い場合と同様に、比率を変えることで濃度が変わります。慣れている方は以下の方法でも対応できます。

濃すぎた時の裏技

実は、濃いコーヒーにだけ使える方法があります。それは、抽出後にお湯を少し足すということです。

濃いコーヒーを無理して飲む必要はありません。少しのお湯を注ぐことで、飲みやすくなります。

注意点: 想像以上に少量のお湯で一気に薄くなりますので、液体の5〜10%程度を目安に少しずつ足して、味を確認しながら調整してみてください。

これは競技の場面でも使われる方法で、濃く出した液体をお湯で割ることで、すっきりと美味しく提供することがあります。専門店でも使われるやり方です。

まとめ

粉量に「正解」はありません。
美味しいと感じるコーヒーが人それぞれ違うように、求めるコーヒーが違えば使う粉量も変わります。ご自身が最適だと思う粉量を見つけられるようになることこそ、自分好みのコーヒーを淹れるのに一番大切なことではないかと感じています。